鎖骨骨折により欠場中の彩羽匠が11・4新木場大会にてAAAWシングル王座の返上を発表。12・4後楽園で行なわれる新王者決定トーナメントに出場する10人が紹介される。
長与「前回の新木場大会の時にですね、急な展開となってしまいまして。彩羽匠が鎖骨の骨折で手術を行ないまして今現在リハビリではございますが、長期欠場となりますので、やはりチャンピオンでいることは苦しいという申し出がありました。そこでいったんタイトルを返還したいということで了承いたしましたが、そのチャンピオンベルトを巡ってのいろんなことが起こりました。ならばトーナメントを開こうという形にさせて頂きました。1DAYトーナメントとなります。すべてが10分1本勝負で、決勝だけ30分1本勝負とさせて頂きます。(ホワイトボードに書かれたトーナメント表を公開して)Aブロック、Bブロックは富士山5合目コースでございます。5合目までは車で行けます。Cブロックは“1番最初から登山してください”という(※優勝するには4試合)、ちょっと厳しい形になります。10分引き分けた場合は両者失格となります。失格者が出た場合は、ひょっとしたら一気に決勝に上がっていけるシャンスがあります。10分なので起こりえることかもしれません。600秒の中でホントに競っていかないと、悠長にしてるとあっという間に経ってしまいますので、選手の皆さんにしっかりと気を付けてもらいたいなっていうところがあります。決勝戦で30分引き分けた場合、延長戦3分間を行ないます。もし勝負がつかなかった場合、もう1度3分間を行ないます。これはGAEA JAPANでこういうルールがありました。2回延長して勝負がつかなかった場合はキャリーオーバーなしで、このトーナメントはすべてなくなります! 改めてもう1度選手を全員ラインナップして、また始めます! そんなに簡単に富士山は登頂できないということです。エベレストに挑む形となるかもしれませんが、このパターンを知っているのが永島(千佳世)さんがデビュー戦の時に後楽園ホールで植松寿絵さんとやりましたが、勝負がつかず延長という思い出があるので。たぶん地獄を1番わかってるんだとは思いますが、皆さんそのつもりでよろしくお願いしたいと思います。クイーン・アミナタは12月の初日に来日します。彼女は“このベルトをアメリカに持って行きます。私たちはマーベラスUSAだと思ってるから”と言ってましたので、そのつもりでよろしくお願いします」
続いて公開抽選会へ。彩羽の持つクジをキャリアの浅い順に選手たちが引いていき、1回戦5試合の組み合わせが決定する。
▼AAAWシングル王者決定トーナメント1回戦・10分1本勝負
ウナギ・サヤカ vs 渡辺智子
渡辺「“1番年上の人間が”って思ってる人いると思うんですけど、私だいたい楽するのが好きなので、なるべく楽して上に上がりたいなっていうのはあります。そのためには全女の時にいろんなベルトを巻いてきたんですが、ベルトを守るためにいろんな技を考えてきました。いま封印してるのが3つぐらいあるので、それを出してでも上を狙っていきたいと思います。ヤル気メッチャ満々でメッチャ楽しみにしてます。クジ運があるなって思いました。なんかすごい楽しみです、(ウナギと)当たるのが」
ウナギ「極彩色に駆ける傾奇者! ウナギ・サヤカです!! WWWA…(言い直して)AAAW…このベルト、ギャン期にとって目標の1つであり、そして必ず必要なモノだと思ってます。歴代のチャンピオン・長与千種、アジャコング、里村明衣子、そして永島千佳世。このプロレス界を作ってきたスゲーヤツがいっぱいいますけど、このウナギ・サヤカが巻いて今のプロレスの歴史を作り上げていきたいと思います。そして間違いなく誰よりもこのベルトを輝かせることができるのも、私だと思ってます。そしてこのベルトを巻いたあかつきには…初防衛戦・長与千種、オマエを指名してやるよ。…というわけで智子先輩、よろしくお願いします♪」
━━ウナギについての印象は?
渡辺「私たぶん嫌いなタイプではないので。その一言です、なんとも思ってないっていえば、思ってないんですけど。楽しみでしかないですね」
━━少し前まで考えられなかったカードだが。
ウナギ「だから楽しいんじゃないですかね? やっぱり私はリングで1番自由に生きたヤツが傾奇者だと思っているので、誰よりも自由にやりたいヤツとやっていくっていうのが自分のやり方だと思っているので。ここで自分の物にしてすべてを手に入れたいと思います」
━━ウナギが王者となった場合は挑戦する?
長与「たぶん1番難関だと思います。私という城を落とすのは非常に難関だと思います。彼女はギャン期で“ひつま武士”(ウナギのファン)が一生懸命支えて、一緒にギャンで楽しんでると思うんです。ただし私には世界中のババとジジがついてるので全然負ける気はしないです。いまや子育てを終えたババとジジたちは強いと思ってるので、落とすのはなかなか厳しいと思います」
ウナギ「…ってことは獲ったらOKってことでいいんですよね!?」
長与「いやノーサンキューです。まだ堀田選手とやってみないとわからないですからね。蹴り1発もらったら泣くかもしれないじゃないですか。そんな、できないことの約束を長与はしないことにしたんです。もう歳が歳なので」
▼同トーナメント1回戦・10分1本勝負
川畑梨瑚 vs 門倉凛
門倉「今回、勝ち上がるまでに3試合しないといけないということで頑張ります。そして川畑選手とタッグで何回か当たらせて頂いててAAAWのタイトルマッチもしてるんですけど、タッグの川畑選手しか知らないので。ここで初シングルができることを非常に楽しみにしています。私が欠場してて知らない間の(11・4)新木場大会でいろんなことが起きたのを映像で見て知ったんですけど、匠さんが返上しまして、今ここでマーベラス1期生・門倉凛が獲らなかったら本当に意味がないと思ってます。この試合勝ち上がって、やりたい選手がもう1人、私の中でいます。同期・桃野美桜、勝ち上がってきてもらって1期生で決勝やりたいと思ってるので。ここはしっかり勝っていきたいと思います。AAAWのタッグもシングルもGAEAISMの試合で自分たちは獲れなかったので、その時の悔しさはすごいあるので。ここで獲らなかったらホントにダメだと思うので、匠さんが欠場している間のマーベラスをしっかり支えていかなきゃいけないなと思ってるので。ここは絶対獲りたいと思います」
川畑「タッグではたくさん闘ってきて、そして同じように歴史が重いAAAWタッグのベルトを巻いてきた凛さんと、ここでシングルができるのはすごく楽しみで。自分もこのトーナメントで1つ夢があって、決勝でMariaと『マゼンタ』で闘って自分がこのベルトを獲って、匠さんが復帰した際にはマゼンタでタッグのベルトも狙っていきたいという目標があるので。そこに向けてしっかり頑張っていきたいと思います。10分1本勝負…スピード勝負なので、スタートから飛ばして全力でいきたいと思います。第1試合で堀田選手から取って勢いをつけて、さらに決勝までノンストップでいきたいと思ってます」
▼同トーナメント1回戦・10分1本勝負
桃野美桜 vs 宝山愛
桃野「AAAWのシングルのベルトはGAEA JAPANの歴史がすごく詰まっている物で、ずっと眠っていたじゃないですか。それが復活した時にこのベルトの権利を懸けてセンダイガールズと対戦して、ベルトは獲れなくてすごく悔しい思いをしました。本当に今でも昨日のことのように覚えてるぐらい、すごく悔しかったです。そこから自分が絶対にこのベルトを橋本千紘から奪うと決めていたんですけど、腰のケガをして長期の欠場に入ってしまい、その間に匠さんがマーベラスにこのベルトを持って帰ってきてくださって…。リングの下からその試合を見ててメチャクチャ悔しかったです。欠場中だったんで自分が言える権利がなかったんですよ。ずっとずっとホントにこのベルトが復活してから、近くにはいるけど届かない物で。でも匠さんが巻いてから“匠さんから絶対はがしてやる”って思ったんですけど、今度は匠さんが欠場になってしまって…。自分の決めてることのプランがどんどん変わってくるんですけど、今こうやって1DAYトーナメントが行なわれるっていうことはマグレでもなんでもなくて、自分がこのベルトを巻くために引き寄せた運命だと思うので。しっかり今までの悔しさとかをこのトーナメントで晴らして、このベルトを桃野美桜が巻いて、そして匠さんが復帰した時には1番最初に防衛戦、やりたいと思っております。よろしくお願いします」
宝山「Cブロック、富士山1試合目コース…? 勝ち上がり4試合。自分最近ホントに運はないって思ってたんですよ。でも、これは自分にとってメチャクチャチャンスだと思ってます。今まで美桜さんには練習でも試合でもずっと負けてきて、メチャクチャ悔しかったんですよ。これは、この日まで“勝つのを残してた”ということなんですよ! なので、絶対勝ち上がって決勝戦まで進んで、自分1回もベルトを獲ったことがないのでベルトを巻きたいと思います。頭を使って本当に勝ちを狙いにいきます」
▼同トーナメント1回戦・10分1本勝負
永島千佳世 vs まなせゆうな
永島「本来なら12月4日は(彩羽から挑戦者に指名されていて)そのまま私がこのベルトに挑戦するはずだったんですが、タッグパートナーの匠がケガをしてしまい、なぜかこんな過酷なトーナメントが組まれ…(ため息をついて)こんなはずじゃなかったなって、正直思ってます。このルールは私は何回か経験があるんですけど、あるからこそ、もうホントに気力と体力がモノを言う。そしてたぶんみんなホントの意味でこのベルトの重さっていうのをわかっていないと思う。そのためにもやっぱり私がこれを巻きたいなと思ってます。とにかく自分自身に負けなければ、必ずこのベルトは私の所に戻って来ます!」
まなせ「こんばんは! ガンバレ☆プロレスのまなせゆうなです。AAAWのベルト、私は欲しい!! なぜかというと匠さん! 私は匠さんとタイトルマッチがずっとやりたかった。今もやりたい! なのに、あとから来た人ばっか相手してさ! ウナちゃん…なんか、そっちばっかりになってて。私は9年とか10年前だけど匠さんと初めて会って、練習生だった時もデビューしてからも匠さんと、もっとずっと試合がしたかったの! それで今回やっとマーベラスでね、(コスチュームが)“紫”って理由で初めてマーベラスに呼んでもらえたんです。でも、その理由でも良かったの! そこからタッグリーグ、ガンバレ色で無理矢理出て、今も地方に“出たい出たい”言いまくって出させてもらってて。私はもっともっとこのリングで試合がしたい。そのためにこのベルトが必要なんです! 私はずーっとずーっと10年前から匠さんとタイトルマッチがしたいって思ってたんです。1番近くで試合もしてくれたし練習もしてくれたから。本気ですよ、私!? だから今回のこのトーナメントが決まった瞬間、見てました。誰にツイートかDMか、どうしたらいいかわかんなかった。でも、来れたからOK! だから私は優勝して1番になってベルトを持つ! そして匠さんと試合をします。私がベルトを巻いて待ってます!」
彩羽「永島さん、メッチャ強いよ?」
まなせ「知ってるよ、そんなの!! タッグリーグで1番最初に試合したの千佳世さんだったんですよ。メチャ走る! 私あんま走んないタイプのレスラーだからさ…」
永島「じゃあ、そこを狙ってあげる」
まなせ「…それは困った! でも10分しかないからどうにかするから、12月4日まで時間があるからしっかり考えてきます。最後に1つ言っていいですか? 今日ここに来る時に辞書を引いてきました。マーベラスの意味は“素晴らしい”、“奇跡的に素晴らしい”って意味なんです。まなせゆうな・イズ・マーベラス!! まなせゆうな・イズ・AAAWベルトのチャンピオン!!」
永島「なんか選挙にでも出たら? そっちのほうが向いてるんじゃない?」
まなせ「プロレスでこの世を変えたいって思ってます。だから、もしかしたらそれにつながる一歩目の試合になるかもしれません」
永島「私もこのAAAWのシングルのベルトは過去に1度獲ったことがあって、今回これを獲れば20年ぶりになります。なので、そう簡単には勝たせませんよ?」
まなせ「千佳世さんが20年前に1度獲ったことがあるなら、1度も巻いたことのない私が巻いて、私がやりたいことをやるためにこのベルトと一緒に進んでいきたいと思います」
永島「だからさ、そう簡単なもんじゃないんだよね(苦笑)」
まなせ「わかってます。だってすごい大っきいもん! 物質的にも。重さをすごく感じます。私はまだ巻いてないから持たないです。その重さは自分の腰にしっかり巻いた時に感じたいと思います!」
▼同トーナメント1回戦・10分1本勝負
クイーン・アミナタ vs Maria
Maria「自分はイギリスで本当は匠さんとシングルをする予定でした。そのシングルマッチがなくなってしまって、ホントはすごく残念に思ってます。匠さんは自分の1番の憧れでありプロレスラーになるきっかけになった人ですし、その匠さんと試合がしたいとずっと思ってます。なので軽いベルトじゃないことはホントによくわかってますけど、“マーベラスといったら彩羽匠・門倉凛・桃野美桜”ってずっと言われてきて、自分の名前が挙がることってなかなかなかったと思うんです。これは前から言ってるんですけど、“マーベラスと言ったらMariaだよね”って言ってもらえるように。これまでも頑張ってきたつもりですし、この日をきっかけに…。第1試合で長与さんとも対戦させて頂いて堀田さんとも組ませて頂いて、この日は自分にとってすごく大きなチャンスだと思っています。この日ですべて自分が変えてやりたいと思います。自分が決勝に行ってマーベラスの象徴になります。自分はスネイク・ガーディアンなので相手をジワジワ…あっ、でも10分なので、すぐに絞め殺したいと思います。第1試合で長与さんと堀田さんからいろんなモノを吸収させてもらって勝った上で、このトーナメントに臨みたいと思います」
━━最近のクイーン・アミナタについて。
長与「前回(10月)ですね、ウエストコーストとサンフランシスコのほうで桃野美桜が対戦しております。クイーン・アミナタ選手は今、アメリカだけではなくいろんな団体に呼ばれる選手になりました。AEWさんにも上がっております。向こうで彼女の名前は、その業界では知らない人はいないぐらい成長しております。ビックリしたのは最初のレネー・ミッシェルもそうですけども、ナイラ・ローズ、レイリーン、クイーン・アミナタ、ハイアン、そしてマーシャ・スラモビッチ…みんなTVショーに出るだけの実力者になりました。マーシャもどうしても来たかったんですけど契約上、TVショーが年末までずっと残ってるので、なかなか来れなかったです。とにかくみんな出世しております。だからクイーン・アミナタが来てくれるということで、“私がこれ(ベルト)をアメリカに持って帰る”ということなので。パワーも技術も相当すごい選手なので、そこはホントに間違いなく強さでいえば(優勝まで)来そうな気もしないではないです。だからこそMariaには、先ほどMariaが言ったように頑張って頂けないと困るというところはあります」