毎月恒例のPURE-Jの道場マッチ。今回はコマンドボリショイがゆかりのある3人の選手とそれぞれシングルマッチで対戦するため2試合×3部構成で、それぞれオープニングアクトとワクワクタイム(プレゼントコーナー)が設けられるという特別編成で開催された。試合前にリングに立ったボリショイは、「今日は引退前の最後の亀アリーナマッチということで、スケジュールの都合とかでなかなか対戦できなかった3人の選手と、それぞれシングルをしたいなと思って。連続試合ではなくて1つ1つをしっかりやりたいなと思って、3大会という形を取らせて頂きました。いつもよりちょっと長いんですけれども、楽しい亀アリーナマッチにしていきたいと思います」とあいさつ。
1部では、まず藤ヶ崎矢子がエルボーとヒップの連打から旋回式のダイビング・ボディープレスにつないでマリ卍に完勝。続いてボリショイがMIKAMIと初対決。グラウンドでの切り返しの攻防で会場からのどよめきが続く中、MIKAMIがスクールボーイを仕掛けると、カウント2で肩を上げたボリショイもスクールボーイ。あっという間の10分が終わると、ボリショイは「やっと対戦することが叶って、今日は本当に心から楽しめる試合でした。ありがとうございました。MIKAMI選手はここでプロレス教室を開催しています。興味のある方はぜひ参加してみてください」とマイク。MIKAMIは「やられるかと思いました…。俺とこの人はリング上では初めて会うんだけども、リング上でやることでわかることだってあるから。これで最後になるでしょう、おそらく闘うのは。でもこれから彼女はずっとプロレス界に残って、PURE-Jの発展を支えていくと思うんで。その時に俺が協力できることがあったら、いつでも来るんでよろしくお願いします」と話した。
2部の第1試合は中森華子とライディーン鋼のシングル対決。路上で丸め込んだ中森が3カウントを奪う。そしてボリショイは倉垣翼と、道場マッチ名物の1つである丁寧語マッチで対戦。乱暴な言葉づかいをした時のお仕置き係としてOGの春山香代子さんもリングに上がった。「いきますよー!(いくぞー!)」、「まいりましたか!?(ギブアップ!?)」と普段の試合では聞かれない言葉が並ぶ中で春山のハリセンが乾いた音を響かせ、ボリショイからハリセンで叩かれた春山が怒って服を脱ぎ始めるとオレンジ色のコスチューム姿に。『春倉』でボリショイを担ぎ上げると合体アルゼンチン・バックブリーカーも披露した。スゴー・レフェリーも巻き込まれて4人が入り乱れると、倉垣に飛びついたボリショイが肩車の体勢から丸め込んで勝利。倉垣と抱き合ったボリショイは会場のファンに、「まだ3部が残ってます。皆さん、飲んでますか? 飲めない私のぶんも飲んでください」と呼びかけると、春山は「わかりました! 私、飲みます、今から!」と元気よく答える。
3部はLeon、偽Leon、勝愛実による3WAYマッチからスタート。クラッチ・デ・ガオーを仕掛けるなど勝負に出る偽Leonだったが、最後は本家がフォール勝ち。敗れた偽Leonは、「Leon、19周年おめでとう。せっかく駆けつけたんですけども、どうしても勝ちたかったけど負けてしまったので…。残念ですが今日でマスクを脱ぎたいと思います!」と自らのマスクに手をかけるが、周りの選手たちがあわてて止めに入り今回も素顔は守られることに。この日最後の試合はボリショイと中島安里紗の一騎打ち。昨年のこの時期に亀アリーナに押しかけてボリショイに対戦を迫った中島は初の亀アリーナマッチ参戦。これまで3度のドローが続いている2人の決着戦として行なわれた試合だったが、またしても時間切れに終わると収まらない2人は叩き合いに。シードリングに舞台を移しての再戦が決定し、4時間におよぶ異例の道場マッチが幕を下ろした。
★試合後のマイク
ボリショイ「おい! 引き分けは引き分けでもな、最後の1発は私に殴らせろ(中島を叩く)」
中島「ボリショイさん、ホントにホントにありがとうございました」
ボリショイ「さっき(会場のファンから)“延長”という声も聞こえたけど…私はこの15分1本勝負で勝負をかけて全力で闘って…残念だけども延長はできないよ。だからこそ悔しいんだよ。だから…最後にもう1発殴らせろ!(中島を叩いて)わかっただろ、私の気持ち!」
中島「よくわかった。でもボリショイさんなら、わかってるはずですよ。私が何を言いたいかは、わかってますよね? ホントにホントにこれが最後…もう1回だけ! シングルやってください!(会場から拍手)4月12日、新木場でもう1回シングルやってください!」
ボリショイ「中島が用意する舞台…私はどこでも決着をつけに行くよ。必ず私はオマエに勝ちにいくから。よし、最後の1発は私が殴ったし。4月12日、私は必ず中島に勝って晴れ晴れとした引退試合になるように頑張ります!」
第31回・亀アリーナマッチ
『ボリショイプロデュース~プレミアム亀アリーナ~』
◆3月24日(日)東京・PURE-J道場 亀アリーナ(13:00)
観衆90人
▼15分1本勝負
○藤ヶ崎矢子(9分28秒/旋回式ダイビング・ボディープレス→片エビ固め)マリ卍●
▼ボリショイ引退ロードvol.25・10分1本勝負
△コマンドボリショイ(時間切れ引き分け)MIAKAMI△
▼15分1本勝負
○中森華子(9分8秒/路上)ライディーン鋼●
▼ボリショイ引退ロードvol.26・15分1本勝負
○コマンドボリショイ(9分8秒/ライムライト)倉垣翼●
※試合中は丁寧語以外使ってはならず、乱暴な言葉づかいをするとハリセンでお仕置きされる特別ルール。
▼3WAYマッチ・15分1本勝負
○Leon(10分48秒/クラッチ・デ・ガオー)偽Leon●
※もう1人は勝愛実
▼ボリショイ引退ロードvol.27・15分1本勝負
△コマンドボリショイ(時間切れ引き分け)中島安里紗△
以下、各選手のコメント
★コマンドボリショイ&MIKAMI
ボリショイ「初対決じゃないぐらい、すごく違和感なく闘えました」
MIKAMI「彼女は何十年もやってるわけでしょ?」
ボリショイ「同じぐらいじゃない?(笑)」
MIKAMI「ホント? でも、やっぱこの体でね、トップに居続けるということは何が必要なのか。俺も小さい体で何が大事なのか? お客さんには伝わらないけど、やっててわかった気がしますね。力が強いし、入れるところと入れないところ。メリハリがちゃんとありますしね、こういうのが長年培ってきたことかなって。俺も普段は男ばかりでやってますけど、今日はそれ以上に勉強になることがありました」
━━以前から対戦を望んでいた?
ボリショイ「そうですね。なんとなく“闘おうよ”みたいな感じだけど、舞台がなかなかなくて…。こうして自分でプロデュースする大会に。これで引退前に心置きなく…(笑)」
MIKAMI「俺も闘いたかったからホント良かった。しかも、まぁまぁ出し切れたと思う。少ない時間でいろいろ言う人もいるかもしれないけど」
ボリショイ「引き出しがいっぱいあって…」
MIKAMI「“ここには何が入ってんのかな?”って相手の引き出しを開けるわけですよ。そうしたら、こういう返し方が入ってた。“じゃあ俺はこっちのカードを用意して闘おう”っていうね。ホントにおもしろかった!」
★コマンドボリショイ&倉垣翼&春山香代子
春山「私、なんかすごいスッキリしました」
ボリショイ「コノヤロー、関係ないのにメチャ叩かれたよ! この道場マッチにJWPの頃から続く伝統のハリセン。少しでも身近にプロレスを楽しんでもらえたらというので始めて、引退前に最後にできるとはね。次は私もハリセン係で(笑)」
春山「嬉しかったです! 立候補して良かったです」
ボリショイ「ヤル気まんまん。ハリセン係がコスチュームっていうルールは別にないんだけど」
春山「期待に応えようと思って(笑)」
倉垣「PURE-Jの亀アリーナマッチに出るのも初めてで、それがボリショイさんと最後のシングルになるのがなんか感慨深いんですけど。でも“原点に戻った”じゃないんですけど、自分の大好きなルールで春山がハリセン係で闘えて、もう一生忘れません。これからもみんなにボリショイさんに教わったプロレスの楽しさとか素晴らしさを教えつつ、成長していきたいと思います」
▼1部のオープニングアクト:KAZUKI
▼2部のオープニングアクト:Leon
▼3部のオープニングアクト:マリ卍