JWP初使用の王子ベースメント・モンスター大会は超満員を記録。第1試合で結奈に胸を貸したKAZUKIは、バックドロップからのダイビング・ニードロップで快勝。藤ヶ崎矢子&朱里の異色タッグは、矢子が朱里を背負っての合体プレスで会場を沸かせると、中森華子&夏すみれもスムーズな連係で対抗。丸め込みの連続で粘りを見せる矢子だが、最後は中森のディスティニー・ハンマーに沈んだ。勝愛実は1年後輩のライディーン鋼とのシングル対決に、かつて引退前に鋼に譲り渡したリバース・スプラッシュを互いに応酬する場面も。ラリアットの連打で追い込む鋼だったが、勝はダイビングエルボーから雪崩式のオレンジ☆ブロッサムで豪快に投げ捨てると、最後は正調のオレンジ☆ブロッサムで3カウントを奪ってみせた。セミファイナルはコマンドボリショイ&ラビット美兎の師弟タッグが、Leon&Sareeeと対戦。2人同時のロープ渡りやクロスフェースを見せるなど中盤でリードしたボリショイ&美兎だが、最後はLeonがボリショイとの押さえ込みの攻防を制した。
メインイベントでは木村響子が2年半ぶりに中島安里紗の持つJWP無差別王座に挑戦。グラウンドでの静かな立ち上がりからスタートすると、場外戦ではエルボーの打ち合いへ。中島が鉄柱に右腕を痛打すると、木村は中島の右腕に攻撃を集中させていく。痛みに顔を歪めながらの闘いを強いられた中島は、気力を振り絞って左右のエルボーを連打。しかし、中島の正面から飛びついた木村が腕十字を極めると、見かねたレフェリーが試合をストップ。JWPで生まれ育った木村が、ついに悲願の無差別級王者となった。
★メインイベント後のマイク
木村「無差別、獲りましたーっ! 私がここでデビューした時、選手がもう5人とか6人しかいなくて…それでも夢を見れたのは、無差別王者の日向あずみさんがホントにカッコ良くて、ホントに最強で…だから未来があったかどうかわからないですけどやってこれて、今でもしんどい試合になればなるほどボリショイさんや日向さん、春山さん…先輩たちに教わった技術とか気持ち、心構え。私14年現役やりましたけど、ほとんど大きなケガもなくやってこれたのは、その時代を支えてくれたJWP…お客さん、関係者。もう今日だけ言わせてください。ありがとうございました!(中島に)言いたいことがあるならどうぞ」
中島「何度もおんなじこと言うのは嫌いだけど…勝ち逃げさせねぇよ。もう1回…もう1回、私とシングルしろ!」
勝「(中島からマイクを奪い取って)オイ、なに勝手なこと言ってんだよ? 負けたから“はい、次”って世の中そんな簡単なもんじゃねぇんだよ」
中島「私が1番知ってるわ、そんなこと」
勝「(木村に)引退が決まって、時間がなくてあせってるのと同じように…私は早く結果が出したいんだ。JWPのトップに立ちたいんだよ、そのベルトが欲しいんだよ! だから今すぐここでやれ!」
木村「おい若者! 見てた? 今の試合。どう考えても無理だろ。そんな安いベルトじゃねぇんだよ。オマエが一刻も早くやりたいって気持ちはわかった。次JWP…10月20日(浅草)。それがベルト挑戦へ1番近い道のりだ」
勝「あいにく、その3日後は私の誕生日なんですよ。ひと足早い誕生日プレゼント、巻いちゃうからな! 覚悟しとけよ!」
木村「なんか…持ってかれちゃったな。でもさ、私も中島安里紗、ベルトがあろうがなかろうが、オマエやっぱ特別だよ。だから11月3日(後楽園)やってやるよ。だけど“世の中そんな甘くない”って、さっき若者も言ってた通り、ルールはこっちからリクエストさせてもらうけど。いいよね?」
中島「なんでもやってやるよ。楽しみにしてる。そのベルトがあってもなくても…アンタは特別だよ」
『FLY high in the 25th anniversary』
◆10月9日(日)東京・王子BASEMENT MONSTER(13:00)
観衆135人(超満員札止め)
▼20分1本勝負
KAZUKI(10分58秒/ダイビング・ニードロップ→片エビ固め)結奈
▼20分1本勝負
○中森華子&夏すみれ(13分57秒/ディスティニー・ハンマー→エビ固め)●藤ヶ崎矢子&朱里
▼勝愛実のビクトリーロード・30分1本勝負
勝愛実(10分35秒/オレンジ☆ブロッサ)ライディーン鋼
▼スペシャルタッグマッチ・30分1本勝負
○Leon&Sareee(15分56秒/クラッチ・デ・ガオー)●コマンドボリショイ&ラビット美兎
▼JWP認定無差別級選手権試合・30分1本勝負
木村響子(23分2秒/腕ひしぎ逆十字固め→レフェリーストップ)中島安里紗
※中島が3度目の防衛に失敗、木村が第28代王者となる。