続いて6・19OZアカデミー・新宿FACE大会で行なわれる査定試合、アジャ・コングvs木村花について。木村響子&花が親子そろって席に着く。
アジャ「まず、私は査定とかって大っ嫌いなんですよ。便宜上、『査定試合』って言ってますけど。要はおもしろそうだからやりたかった。ただ何か理由付けが必要だから“査定”って言っただけ。もしかしたら逆に査定されちゃうかもしれねぇな(笑)。“査定して”っていう感じ。この間、プロレス学校を卒業して、いま3戦ぐらいやってるっていう感じだけど、既存の女子プロレスラーとはまだやってないということで。だったら1番に最初に手を上げようと思って。“既存の女子プロレスを査定してください”っていう気持ちもあるし、知っての通り、お母さんは木村響子選手。私といろいろ…どちらかというと組むほうが多いかな? すごくサポートしてくれて、ホントにハートのいい選手で人としても大好きだし。ちっちゃい頃から会場でお母さんの後ろにいて、それが“まさか”ね…。プロレスラーになって試合することになろうとは夢にも思いませんでしたけど、ただ母の姿を見て、母の背中をみて“やろう”って思ってくれたのって、同じくシングルマザーに育てられた私としてはね、すごく嬉しくもある。なんだろね、祖母の気持ち?(笑) 親と同じ道をせっかく進み始めたからには、どうせいつか対戦していくんであれば、最初に1番厄介なところと対戦しておいたら、あと怖いもんもなくなるんじゃないかな? っていうのもあったりもして。いろんな意味でワクワクさせてくれる感じがあったので、ああいう形でアピールさせてもらった感じですね」
花「自分が小学校低学年の時からアジャ様の試合を見て育ってきたので、まさかアジャ様と試合をさせて頂くことになるとは思っていなくて…まだ、こんなデビューしたてのド新人の自分なんですけど、試合をさせて頂くのはすごい光栄なことだと思ったので、頑張ろうと思いました」
━━WRESTLE-1のプロレス総合学院ではどのような活動を?
花「最初は基礎体を教えて頂いて、ちょっとずつ出来てきたらマット運動。受け身が出来るようになってから、やっとロープワークとかドロップキックとか。“新人に大事なのは声を出すこと”とか、表現力についても教えて頂きました」
━━今まで見てきたアジャの試合で特に印象に残っているものは?
花「里村明衣子さんとアジャ様のシングルマッチ。後楽園ホールで今年あったのが(4・8仙女)本当にゴングが鳴る前から心臓がドキッとするような…もうその瞬間に試合に感情移入ができて、ゴング鳴ってからも、まだ何もしてらっしゃらないんですけど見つめ合ってる雰囲気とかが…すごく興奮しました。それが1番、頭の中に今、残ってます」
━━「査定してほしい」と言ったが、花への期待は?
アジャ「正直言って、何も出来ないと思うんですよ。でも何も出来なくていいと思うんですよ。何もかも出来てしまったら、私とかお母ちゃんがやってきたこの何十年が“そんな簡単にやられてたまるか!”っていう気持ちもあるんで。たぶん人様の期待は大きいと思うんですよ、お母さんが木村響子だし。でも、やるのは本人なんで。どうなるか? っていうのは本人次第だと思うんで。ただ、プロレスの1番の醍醐味だと思うんですけど、普通のスポーツって出来ねぇヤツ出てくると“引っこめ!”って言われるんですけど、プロレスに関しては出来なくてもいいから何かが人様に伝わってくると、それが1番の見どころだったりすると思うんですよ。出来ないは出来ないでいいんで、いま出来る最大限と。リングで向かい合った時、私も雰囲気違うと思いますし、すーごい恐ろしいことになると思うんですよ(笑)。“立たなきゃ良かったな、こんな所に”って。それでも向かい合ってしまったら、やるしかないので。何を自分がするのか? 逃げずに向かってくれば、それでいいなと。勝負なんで勝ちも狙ってほしいなと思いますし、少なくともお母ちゃんは負ける気でリングに上がる人ではないと思うので。そこは何より教わってきてるところじゃないかなって思うので。当然、私も負ける気ないですし。そういう意味で、終わって“どうでしたか?”というのはあとあと聞いてみたいなと思うし、今後も何かがつながっていけばすごくいいなと思うし」
━━娘のデビューは選手として、母としてどういう気持ち?
響子「選手としても母としても、やっぱり自分もアジャ様にすごく縁があった人間なので、“やっぱり縁ってつながるんだな”っていう。これはもう、そういう運命なんだなと思います」
━━アジャとの対戦について。
響子「母としては正直心配ですけど…(苦笑)。やっぱり、一選手としてはもう“思い切り行ってこい!”っていうことしかないですね。(画面で視聴者の意見を見ながら)自分はアジャ様とブル様をテレビで見てた世代ですね」
花「自分もYouTubeでアジャ様の試合をひたすら研究させて頂いてます(笑)」
アジャ「(画面を見て)アイアンマン・ヘビーメタル級を獲った3人?(花に)アイアンマン獲ってんの!?」
花「でも、すぐ母に取られました」
響子「そうだそうだ」
アジャ「ひどいね。私、1000何代ですよ。先輩じゃないですか。意外なつながりがあった。でも(試合を)楽しむっていうのは無理だと思うんですよ。わけがわかんないまま、やればいいと思う。今まで一緒に受かった同期の子としか試合してないから、お互いに何も出来ない同士だったけど、逆に“何でも来い”の人とやるわけだから。リングの上ではプロレスラー同士、ガッチリしたものを見せたいと思いますし、年とったなって自分で思うんですけど、今ここで並んでると親心というか…。ただ、そう言いながらもね。リングに上がると大人げないことで有名なので、それをきっちりじっくり体感してもらえればなと(笑)。“今後どうするのか?”っていう選択も早いうち、若いうちに…無理だって思うならそこまでだと思うし。そういう選択をするにも1番いい相手じゃないかと思います。いま持てるすべてを出し切って、何も考えずに突っ込んで来てくれればいいなと思います」