5・3豊洲PITで旗揚げしたマーベラスが、沖縄大会を経て迎えた第3戦。旗揚げ戦と同様にステージには大きなスクリーンが設置され、各選手の経歴やプロフィールがVTRで紹介された。オープニングでは長与千種と所属選手たち全員が、肩の手術で欠場している渡辺智子のピンク色のTシャツでリングイン。長与から本日が退院予定であることが報告される。
第1試合では果敢にドロップキックを放つなどKAORUに立ち向かっていく門倉凛だが、レフェリーのブラインドを突いてのテーブルでの殴打からエクスカリバーでKAORUが快勝。桃野美桜は得意とするコーナー最上段からのクロスボディーを決めてみせるが、2発目をかわした永島千佳世が裏投げから3カウントを奪取する。アメリカでのトライアウトで合格したナイラ・ローズは初来日第1戦でカサンドラ宮城と対戦。ハイテンションで勢いのあるファイトを展開し、アルゼンチン・バックブリーカーから横に投げ落とす『パウワウ・プランジ』(パウワウはアメリカインディアンの祭り、プランジは投げ込む・沈めるの意)で勝利を飾った。
セミファイナルではエース・彩羽匠と山下りなが初の一騎打ち。互いに胸を突き出してのチョップの応酬などで会場を沸かせるが、グラウンドに持ち込んだ山下が銅絞めスリーパーを極めると、失神した彩羽を見てレフェリーが試合をストップ。マイクを持った山下が鹿児島弁で「今日やってみて1個も負ける気せんかった。なんべんやっても負けんな」と勝ち誇ると、彩羽は「よう言うたな。次はオマエをこのマットに沈めちゃるけん。覚えときいや」と博多弁で返答。山下は「1回や2回じゃねぇぞ。これからずっと、どっちかが沈むまで“まいった”っていうまで」と、闘いの継続をアピールする。メインイベントで行なわれた雫有希が豊田真奈美と2年ぶりのシングルマッチでは、雫のセコンドについた桃野が大きな声で豊田の反則を制止しようとすると、豊田ににらまれて舌戦となり笑いを誘う。ぶつかり合いで引けを取らなかった雫はデスバレーボムを決めてみせるがカウントは2。豪快なカカト落としの連打からJOクインビーボムで豊田が貫録の勝利を飾った。
試合後、1人でリングに上がった長与は、「ヘビーウエイトの選手たちの試合っていうのは興味が深くてですね、体ごとバチバチ当たっていくところが個人的にはすごく好きで。懐かしい全女の時代を少し思い出してしまいました。雫にはホントに勉強になったことだと思います。まだまだキャリア10年いってない選手ですから、これからの選手です。胸を貸してくれた豊田真奈美に感謝したいと思います」と話すと、「真奈美に食らいついていった桃野…ウザかったね。今度いつか、桃野と試合どうですか?」と売店の豊田に公開オファー。豊田がこれに応じると、リングサイドにいた桃野も「お願いします!」と元気よく叫び、会場から大きな拍手が沸き起こった。
続いて、長与は門倉に対して「不思議ちゃんですね。よく頑張ったな。実はつい先日まで桃野がアバラ折ってましてですね。“気のせい”って言って試合やってたんですよ。今は門倉がアバラ折ってましてね。だいたい折れるんですよね、痛くないプロレス、ないですから。受け身がほんのちょっとでもズレるとホントに危ないです。でも日々精進、努力を重ねてこのリングに立たせて頂いてですね、どんどん強くなっていくんだと思います。いろんな先輩たちに胸を借りてるウチの選手たち、これからも一生懸命頑張って、一歩ずつ一歩ずつ…邁進していきたいと思います」と最後を締めた。(後日、誌面にも掲載します)
『川口大会』
◆6月4日(土)埼玉・川口産業技術総合センター(SKIPシティ/13:00)
観衆未発表
▼20分1本勝負
KAORU(12分40秒/エクスカリバー→片エビ固め)門倉凛
▼20分1本勝負
永島千佳世(11分36秒/裏投げ→片エビ固め)桃野美桜
▼20分1本勝負
ナイラ・ローズ(7分24秒/パウワウ・プランジ→片エビ固め)カサンドラ宮城
▼20分1本勝負
山下りな(13分23秒/胴絞めスリーパーホールド→レフェリーストップ)彩羽匠
▼20分1本勝負
豊田真奈美(11分29秒/ジャパニーズオーシャン・クインビーボム→体固め)雫有希