PURE-Jが昨年の旗揚げ戦と同じ8月11日に1周年興行を開催。入場式では昨年同様に藤ヶ崎矢子がマイクを持ち、「今でもあの試合は自分たちも忘れていません。2年目のPURE-Jもプロレスの神様に愛されるように頑張っていきますので、熱い声援のほどよろしくお願いします!」とあいさつ。第1試合はマリ卍が米山香織を相手に堂々とチョップの応酬を挑むと、卍固めからグラウンドへ。しかし最後は後方回転で丸め込んだ米山がキャリアの差を見せつける。今大会が最後のPURE-J後楽園となる希月あおいはOGの春山香代子との『オレンジハッピーズ』、KAZUKIはOGの阿部幸江との『WANTED』を、それぞれ1日復活。積極的に試合に参加する春山は場外戦での逆水平チョップから、希月と青春ピラミッドのポーズ。阿部もエルボーアタックからKAZUKIと2人で「オー!」を決める。逆打ちから横回転してのエビ固めで希月がKAZUKIに勝利した。Leonと真琴は互いにスピアーの使い手であることから、スピアーからの3カウントでのみ決着がつく条件マッチで対峙。開始早々から両者ともにスピアーを繰り出していくが、“世界一のスピアー”を自認するLeonがマッド・スプラッシュからの2発でとどめを刺した。
ライディーン鋼と橋本千紘のシングル初対決はド迫力の肉弾戦を展開。巨体からのムーンサルトプレスを繰り出した鋼だが、かわされて不発に終わるとエルボーの応酬から橋本がジャーマン。ラリアットを挟んでのオブライトで仙女シングル王者の貫禄を示す。ビジュアルハンター・藤ヶ崎矢子は藤本つかさのハントに挑むが、ムキ出しとなった矢子のおでこにデコピンを連発する藤本は、キャメルクラッチの体勢から矢子のつけまつげを剥がすと、おでこに貼り付けるなどやりたい放題。カウンターのキューティー・スペシャルを決めるなど活路を見いだそうとする矢子だったが、ペースを離さない藤本がビーナスシュートを叩きこんで完勝した。
セミファイナルには5月の板橋大会以来となる中島安里紗が登場。コマンドボリショイとのJWP退団前以来となるシングル対決は互いに譲らず、ボリショイがピコニー・スマッシュ3連発からストレッチプラム・改につなぐも仕留めきれず、15分時間切れで幕。マイクを持ったボリショイは来年4・21後楽園での引退を発表して会場を驚かせると、涙を見せるかつての愛弟子・中島と握手を交わした。
★ボリショイのマイク
「おい、また決着がつかなかったな。私は生意気なオマエのせいでずいぶん強くさせてもらったよ。…このシングルの決着は、もうつけることはないだろう。私はこれからオマエを倒せる後輩を育てていくよ。シングルはしなくてもオマエとの闘いは一生続くからな。私は絶対、オマエより幸せになってやる!(会場から大きな拍手) 今日は皆さんにどうしてもお伝えしなければいけないことがあります。できれば一生プロレスをやりたかった。…4月21日、後楽園ホールで私コマンドボリショイは引退します。本当になかなか言い出せなくて、つらかったんですが…7年前に脊髄の難病が発覚して手術を受けて、奇跡的にまた試合ができるようになりました。最近また少しずつその症状が出てきたので、私はいつか大きな事故が起きて大好きな女子プロレス界に迷惑をかけてしまうような可能性があるんだったら、動けるうちにしっかりと引退し後輩を…そしてPURE-Jを育てて、大好きな女子プロ界に力を注いでいけるように頑張っていきたいと思っています(会場から大きな拍手)。4月まで時間があります。その間に試合を通じて伝えていけること、一生懸命やっていくので、皆さん最後の最後まで応援よろしくお願いします!」
メインイベントは中森華子 vs 勝愛実というPURE-J純血による無差別級タイトルマッチ。この一戦に懸ける勝は持ち前の荒々しい攻撃で中森の牙城に迫るも、中森はキックの連打から鎮魂歌ドライバー。かろうじて肩を上げる勝にダメ押しの2発目を叩き込んで王座防衛を果たした。マイクを持った中森は、「この1年PURE-Jを応援してくださった皆様、本当にありがとうございました! 愛実、私はな、オマエよりくぐり抜けてきた修羅場が違うんだよ。勝つべき時に勝つことができるのがチャンピオンなんだよ! 今日は1年の集大成という大会になりましたが、PURE-Jのベルトを巻いている中森華子こそがPURE-Jであり、PURE-Jこそが中森華子です! 私はこのベルトをこれからも防衛してどんどん価値を高めていきたいと思ってます。今日はありがとうございました!」とあいさつ。勝は「いつまでも、そんなこと言ってられると思ってんじゃねぇぞ。この勝愛実こそがPURE-Jであり、PURE-Jこそが勝愛実だ!!」と返答しリベンジを誓う。
また、王座挑戦に名乗りを上げた鋼と矢子に対し、中森は「来週(19日の板橋)記念試合やるんだろ? 勝ったほうとベルト懸けてやるよ。私からのお祝いだよ。どっちが上がってくるか、楽しみに待ってるよ!」と2人の周年の記念試合に“無差別級王座・次期挑戦者決定戦”が追加されることに。カーテンコールの際にボリショイは、「PURE-J2年目がスタートしました。これからどんどんリング上の景色も変わっていくと思います。皆さんもどうかついてきてください! PURE-Jと一緒に、もっともっと上を目指してやっていきたいと思います」と話し、「頑張ろうJ!(ジェイ)」で大会を締めた。
『PURE-J旗揚げ1周年記念興行~レインボーマウンテン2018』
◆8月11日(土)東京・後楽園ホール(11:45)
観衆1048人
▼Dream of 8colors Battle・15分1本勝負
●マリ卍(6分2秒/後方回転エビ固め)米山香織○
▼Dream of 8colors Battle~希月あおい引退ロード in PURE-J~・15分1本勝負
●KAZUKI with阿部幸江(8分56秒/ハッピークラッチ)希月あおい○ with春山香代子
▼Dream of 8colors Battle・15分1本勝負
○Leon(6分39秒/スピアー→エビ固め)真琴●
※スピアーからのフォールでのみ決着となる。
▼Dream of 8colors Battle スペシャルシングルマッチ・15分1本勝負
●ライディーン鋼(11分8秒/オブライト)橋本千紘○
▼Dream of 8colors Battle ビジュアルハンター矢子の仁義なき戦い・15分1本勝負
●藤ヶ崎矢子(10分9秒/ビーナスシュート→片エビ固め)藤本つかさ○
▼Dream of 8colors Battle スペシャルシングルマッチ・15分1本勝負
△コマンドボリショイ(時間切れ引き分け)中島安里紗△
▼PURE-J認定無差別級選手権試合・30分1本勝負
○中森華子(20分12秒/鎮魂歌ドライバー→片エビ固め)勝愛実●
※第3代王者が3度目の防衛に成功。