３月に続いて２回目となる伊藤道場の道場マッチは、これまで開催されてきた試合以外のイベントを含め最高の動員を記録。試合開始２時間前からは、伊藤薫と藪下めぐみが指導している一般向けサークル『ＴＥＡＭ☆フットスタンプ』の公開プロテストが行なわれ、男女２人ずつ計４名が挑戦した。
女子の２名はＷＡＶＥの練習生として１度は挫折したものの、伊藤を師事してプロレスラーを目指す『みや』。そして温泉好きのお笑い芸人で、ＳＵＧＡＭＯプロレスのＡＳＨＵＫＡ（ＷＷＥ・ＡＳＵＫＡのコスプレ）としても知られる『しまちゃん』。
これは専業のプロレスラーになることを目的としたものではなく、あくまで“伊藤道場内でのプロテスト”という形を取っているが、通常のプロレス団体におけるメニューと比べても遜色のないハードな内容で、基礎のマット運動、受け身、ロープワーク、スパーリングなど１時間半に及び、合否はのちほど試合の際に発表されることが告げられる。
試合は３試合。ＨＥＡＴ－ＵＰ提供による男子のシングルマッチに続き、第２試合は藪下めぐみと佐藤綾子によるクライシス同門対決。藪下は黒帯、佐藤はおぼんを操りレフェリーを巻き込みながらの闘いは、佐藤が２連続の丸め込みから３カウントを奪取。
『ザ・女子プロレス』と銘打たれたメインイベントは、伊藤薫＆桃野美桜vs堀田祐美子＆川畑梨瑚。全日本女子プロレスで一時代を築いた伊藤と堀田が久々の対戦で火花を散らし、桃野は初対決となる堀田に執拗に食ってかかり挑発していく。川畑のムーンサルトプレスを下から両足を立てて蹴り上げた桃野は、コーナー最上段からのダイビング・ボディープレスを決めるがカウントは２。ブレーンバスターからのジャーマン・スープレックスで川畑にとどめを刺した。
マイクを持った伊藤は、「自分も堀田さんも昔みたいに動けないですけど、いろんなこと伝えられるんじゃないですかね？」。堀田は「久しぶりに伊藤と当たって…動けるじゃん！ 苦しかった。でもそれがバネになった。ありがとう。まだまだアンタとの闘い、終わりたくねぇよ」と返答。さらに堀田は桃野と向き合うと「やるな」と素直に評価し、６月に予定されている３８周年大会へ桃野の出場を要請する。桃野は「私は全女が好きでプロレスラーになりました。全女魂を私は紡いでいく気、満々なので。期待しててください。そして安心してください」と豪語。
川畑は「女子プロレスの原点である全女を…自分も古きを重んじて今の女子プロレスにもっともっと広げて、あの頃の全女のような盛り上がりを自分たちの代で作っていくので。皆さんこれからもよろしくお願いします」。伊藤は「堀田さんがいなかったら今の伊藤薫はないし、これだけ本気で闘える相手に出会えてなかったら女子プロレス大賞とか大きな賞をもらったり、伊藤薫の名前が残ることはなかったと思います。すごく堀田さんには感謝してます」と述べる。
伊藤は改めてプロテストについて、「伊藤薫のやりたいことは一般の人であろうが一般でなかろうが、プロレスに携わって“やりたい”っていう気持ちがあるからにはしっかりしたプロテストを行なって、いろんな人に認められた中でやっていってほしい気持ちがあります。一般向けのスクールというのに変わりはないですけど、ホントの意味でプロレスラーになりたい人がいるならば、ここで育てて見ていきたいっていう気持ちは変わってません」と説明し、受験した４人をリング上に招くと『しまちゃん』の合格、男子１名の“仮合格”を発表。合格できず涙を流す『みや』に伊藤は「私についていきたいと決めたんだったら、これでは合格にできない。気持ちから変わっていかないと。今からが始まりなんだから」とエール。堀田と藪下もそれぞれ『みや』にアドバイスを送った。
『伊藤道場・道場マッチ ムゲン Ｃｏｎｎｅｃｔ－２』
◆２０２３年４月８日（土）東京・Ｗ－ＢＯＸ（１８：００）
観衆未発表
▼ＨＥＡＴ－ＵＰ提供試合・１５分１本勝負
○今井礼夢（８分１９秒／逆エビ固め→ギブアップ）ハジメ●
▼女子プロレス・２０分１本勝負
●藪下めぐみ（１０分２１秒／佐藤２乗）佐藤綾子○
▼ザ・女子プロレス・２０分１本勝負
伊藤薫＆○桃野美桜（１８分２５秒／ジャーマン・スープレックス・ホールド）堀田祐美子＆川畑梨瑚●
≪しまちゃん・ＰＲＯＦＩＬＥ≫
本名非公開。１９７９年３月１１日生まれ、富山県黒部市出身。１５５ｃｍ・５６ｋｇ。スポーツ歴なし（フルマラソン完走経験あり）。趣味は温泉巡り（明治以前）、特技は似顔絵。「伊藤さんが始められた伊藤道場、そして一般にスクールである『ＴＥＡＭ☆フットスタンプ』。まだまだ皆さんに知ってもらう必要があると思うので、そこから変なヤツが…（笑）。おもしろいヤツが出てきたと思ってもらえるように、必死に努力をしていくので。ぜひ興味を持ってもらいたいなと思います。頑張ります！」
▼しまちゃんはプロテストの後にリングアナと音響を１人でこなした。
