25日(金)16時よりアイスリボンが記者会見を開き、ヒザの前十字靭帯断裂により長期欠場中の長崎まる子の退団、いたばしプロレスへの移籍が発表された。会見にはアイスリボンの佐藤肇代表、いたばしプロレス代表・はやても出席し、これまでの経緯を説明。まる子は今後リングネームを『まるこ』と改め、いたばしプロレスの7・16板橋グリーンホール大会にて入団のあいさつを予定している。
佐藤「このたび長崎まる子がアイスリボンを退団しまして、いたばしプロレスに移籍という形になります。アイスリボンで3年間…長崎から上京して頑張ってきておりましたが、足のケガをしまして長期欠場。その期間中に移籍ということですごく私としても残念な形ですが、本人の希望もあり今回移籍をすることになりました」
まる子「このたび、アイスリボンを退団させて頂くことになりました。いたばしプロレスさんのほうに移籍させて頂きまして、そちらでプロレスを続けていくことになります。とりあえずはヒザのリハビリで8ヶ月ぐらいかかると思うのですが、まずは復帰目指して頑張りますのでよろしくお願い致します」
はやて「いたばしプロレスに入団ということで、まだリハビリがかなり長くかかりそうですので。そちらのサポートをしてですね、復帰に向けて肉体改造も含めて全力でやっていきたいと思います」
佐藤「アイスリボンとしましては欠場期間中“何をしていくのか”とか“どういう対応をしていこうか”とかの話をしていた中で、“新しいところでいろんな経験をしてみたい”ということもあり、こういう結果になりました。実際、欠場→入院→退院ということで、彼女と接する時間も少なかった中でのことなので、まだまだ本人に対しての気持ちだとか今後のことというのは、現状でいうならば、いたばしさんに委ねてる状態で…。辞めようという彼女が決断をしたという部分に関してはアイスリボンも重々、いろんなことを今後の改善点として考えていかなければいけないなと思っておりますが…いたばしでも長崎まる子を受け入れるにあたって、より大きな発展をしてもらいたいと思っております」
━━移籍を考えたのはいつごろから?
まる子「去年の夏ごろからボチボチ考えていたというか…自分としてプロレスやっててなかなか結果を出せないっていうのがありまして、すごく“技術面でも肉体面でもスキルアップしないとな”とずっと悩んでいた中で、いたばしプロレスさんのほうに何回か参戦させて頂いて勝敗がないプロレス、お客さんを楽しませるところに衝撃を受けまして。そちらの世界で活動していきたいなと思ったのが移籍のきっかけです」
━━アイスリボンに所属しながら参戦していくという両立はできなかった?
まる子「自分の悩みの根本である肉体的、技術面のスキルアップを考えた時に、自分がルチャをやりたいというのがあったんで、そこをもっともっと隣にいて学んでいきたいということもあったんで、移籍を決めました。夏ぐらいから移籍したいと思ってたんですけれども(今年の)3月ぐらいに辞めようと考えてました」
佐藤「所属に関しては本日をもって正式にという形ですが、雇用契約に関しましては先月末をもっていたばしに切り替えという形になりました。昨年夏ごろというのはおそらくTeamDATEとの対抗戦の中で彼女が矢面に立ってアイスリボンを盛り上げてくれた時期だと思います。2年目の選手が団体のメインを引っ張り話題を作っていく部分に相当プレッシャーがあったと思いますし…。アイスリボンも『おでかけプロレス』であったり、数でいうならば(楽しい大会も)いたばしプロレスさんよりも多い数をやってきてると思うんで、そういった部分では残念で仕方ないなという気持ちがいっぱいです。移籍に関しては“辞めたい”とか“もっと試合数を減らしたい”という相談は受けていました。ルチャもっと勉強したいとか、それに対して会社としてどうしていこうかという話はしてまして。彼女の気持ちが強く固まっていたのかなと。退団をしたいと正式に言われた時には、はやてさんが横にいて“退団します”と。私どもとして“じゃあ、どうしようか?”という話ができる状態ではない形でした。厳密に言うならば長崎まる子は事務所組で社員契約になります。憲法に守られた雇用の自由、労働基準法となると、私どもとしてもそれ以上話を進められない状況でありますので。そこは今後のことを考えて、スムーズに退職手続きを取らせて頂きました」
━━今までは多くの同僚選手がいたが、いたばしプロレスでは女子1人。環境が大きく変わる点に不安はない?
まる子「それはまったく自分自身不安に思っていなくて、もしろ自分がやりたいところ。今やりたいと思っていることを学べる…ルチャをガッツリできるところに不安は今のところないです」
佐藤「高校を卒業してアイスリボンに来て、新しい世界を見ていろんなことを勉強して経験するっていうのも、彼女のこれからの人生の中で…今回の手術においても彼女が目指すスピードのあるプロレスにおいては、手術をしてやりたいという希望があったので。ホントにまだまだ今年23歳という若い選手なので。いろんなことを経験してそれが成功につながるか、失敗するかもしれないし。すべてのことが、まだ糧(かて)になる年齢だと思うので」
━━初の女子選手を受け入れることになったが。
はやて「練習を見てましたけど細かいところ…重心の移動だったりとか、どっち向きにつま先を向けたらスピードが出るかとか。そんなところにものすごい関心を示して、すごく向上心とか…。肉体面でもそうだし精神面、レスラーのマインドみたいなのも向上させようっていうのを。ずっと見てましたので悩みがあるっていうことは薄々気づいてはいたんですよ。いろいろ話の中でレスラーとして、プロレスはガマンしながらやるものじゃないですよ。この業界に30年近くいますけど、やっぱりやりがいを持って…ときにはガマンしてやることもあるでしょうけど、基本的には受け身を取って血を流して、骨を折ったり靭帯切ったりはしますんで。それはホントにやりたいからレスラーやってるわけで。そこの気持ちが萎えていくのであれば“じゃあウチ来るかい?”という話です。彼女は本来明るいキャラクターで、それがある時期、なんとなく悲しい表情をしている時期もありましたので。本来のキャラクターをお客さんに見せながら、お客さんに喜んでもらえるレスラーになってもらいたいなと感じてましたので。いたプロ向きかなというのもありますし…。いたプロはまだちっちゃいですけどもね、きっといたばしプロレスのお客さんには絶大な人気レスラーになれるだろうと。レスラーの勘ですけどもね、それは感じてます。今はリハビリを1日に何時間もかけてやってるので、そちらを集中してできるように」
━━復帰時期は?
まる子「う~ん…短くて年末以降という感じです」
はやて「8ヶ月と言われてるんですけど、やっぱり10ヶ月ぐらい見たほうがいいんじゃないかってトレーナーとも相談してるんですけど」
━━リングネームはどうなる?
まる子「復帰後は今のところ名前を変更しようかと考えておりまして、長崎を取って…」
はやて「『まるこ』だけ。3文字全部ひらがなにして」
まる子「いたばしプロレスが子供が多い環境なので、パッと見で覚えて持って帰ってくれるような名前だったり、応援しやすい名前っていうのを考えてそれにします」
佐藤「リハビリに関してははやてさんのほうからしっかりサポートをして、トレーナーもつけてやるということで話を聞いておりますので、安心してお任せをしております」
━━退団に寂しい気持ちはある?
まる子「少しだけ。やっぱりずーっとここでお世話になっていたんで。人と別れる寂しさっていうのはあります。藤本さんも怒る時は怖い人ですけど、すごく指導して頂いて礼儀だったりも教えて頂いて…大変お世話になりました」
━━今後、アイスリボンや他団体への出場は?
まる子「リハビリをして復帰がとりあえずの目標なんで…。復帰したとしても自分の気持ちとして、いたばしプロレスさんにルチャを学びたいという理由で行ってるので。しっかり学んで成長した自分を見せないと自分自身が意味がないと思ってるんで…それからになります」
━━最終的にどういうレスラー、どういう存在になりたい?
まる子「やはり自分が今まで目標としていたスピードをもっともっと極めていきたいと思ったのもありますし、スピード極めるためには体のキレが必要なんですけど、自分がそこがまだ全然なくて…。スピードもあり、ルチャの動きもでき、“まる子以外、こういうスタイルいない”みたいな、そういうところを目指していきたいなと思ってます。“まる子でしか見れないプロレス”をやっていきたいです」
佐藤「アイスリボンではホントにまる子の復帰を待ってくれてるファンの方もいますので、本来はちゃんと道筋をつけた中でファンに対してのお別れもできればと思っていたのですが…。なかなか調整がつかず、このような会見の中で報告する形となってしまいまして、大変申し訳ないなと思っておりますが…。3年間アイスリボンでやってくれたこと、すごく貢献してくれたと思ってます。いろんなことを学んでくれたと思うんで、それを生かしてもらえればなと思います」
━━ファンの皆様にメッセージを。
まる子「今までアイスリボンの長崎まる子を応援して頂いて本当にありがとうございました。今後は『まるこ』として、まずはリハビリを頑張っていきますので、復帰した後、また応援をよろしくお願い致します」