毎年恒例となっている板橋3連戦は、中森華子&KAZUKIによるプロデュース大会からスタート。3日間の各プロデューサーごとのあいさつに続き、無差別級タイトルマッチの公開調印式へ。挑戦者のKAZUKIは「42歳にして無差別級のベルトに挑戦することになりました。同じぐらいの年齢の方たちに勇気を与えられるような試合がしたい」と意気込みを語る。第1試合は2度目のシングル対決となるLeonとマリ卍。馬乗りになってのエルボー連打から卍固めを極めるマリだったが、Leonがスピアーを叩き込んで3カウントを奪取した。
胃がんにより39歳の若さで亡くなったJWP・OGの渡辺えりかさんの追悼試合として、米山香織がPURE-J初参戦。コマンドボリショイと6年ぶりとなるシングルマッチは10分時間切れに終わり、試合後は握手を交わし2人で抱き合った。マイクを持ったボリショイは「えりりん、ありがとう! ヨネちゃんがJWPを辞めてからゆっくり話すこともなく…。PURE-Jは“前のカラーのままじゃ成長できないんじゃないか?”って危惧して、あえて声をかけないようにしてきたけれど。まさかこういう形でヨネちゃんとまた同じリングで闘えること、私は本当にナベちゃんのおかげだと思ってます。なかなか素直になれない私をナベちゃんが導いてくれたと思っているので、これからまたオファーすると思うんだけど、その時はぜひPURE-Jのリングで暴れてください。ヨネちゃんのバカ天然な感じが今日の私の重い気持ち、つらい気持ちを…ヨネちゃんがいたから、こうして今日闘えたと思います。ホントにありがとう」。これに米山は「バカ天然って自分のことですかぁ? 自分がバカ天然だったら自分のプロレス界の母であるボリショイさんも、プロレス界の姉である渡辺さんも、みんなバカ天然ですよぉ?」と返答。ボリショイは「違う。突然変異でバカ天然だから。今日はいないけどね、倉垣もヨネちゃんも私のこと勝手にプロレス界の母とか言うけど、そんなに年離れてないからね! 知らない人聞いたら勘違いするからやめて!」と会場に笑いを誘った。
勝愛実&沙紀vsライディーン鋼&藤ヶ崎矢子のタッグ対決は、勝と沙紀がサンドイッチ式のビッグブーツや、対角線コーナーから同時に放つリバース・スプラッシュなど好連係でリード。最後は勝がイナズマバスターからオレンジ☆ブロッサムにつないで矢子を仕留めた。翌日にはパートナーとして共にタッグ王座に挑む矢子に対し、勝は「オマエなに負けてんだよ。明日なんの日かわかってんのか?」とヤル気を問い正すと、2人で手を上げ必勝を誓う。
メインイベントは中森華子の持つ無差別級王座にKAZUKIが挑戦。KAZUKIは毎年ゴールデンウイーク恒例の鯉のぼり風ガウン、中森は新調した白いガウンでリングイン。開始早々から場外戦に誘うなど久々のベルト奪取へ意欲的なファイトを見せるKAZUKIは、一進一退の互角のファイトを展開。しかし負けられない中森はスタンディング式のシャイニング・ウィザードから側頭部に回し蹴りを叩き込むと、鎮魂歌ドライバーで叩きつけてV2を達成した。マイクを持った中森は「このベルトを巻きたいと思う選手とどんどん闘って、私自身どんどん強くなっていきたいと思ってます。だからKAZUKIさん、今日で最後とか言わず…またチャンスがあれば、このベルト獲りにこいよ!」。KAZUKIも「いつでも獲りに行きます。42歳の挑戦は終わりましたけども、43歳、44歳と…挑戦していきたいと思うんで。その時までチャンピオンでいろよ!」とリベンジを誓った。
『真向勝負シリーズ1~残酷な膝小僧プロデュース~』
◆5月4日(金・祝)東京・板橋グリーンホール(17:30)
観衆162人
▼20分1本勝負
○Leon(9分1秒/スピアー→片エビ固め)マリ卍●
▼故・渡辺えりかさん追悼特別試合・10分1本勝負
△コマンドボリショイ(時間切れ引き分け)米山香織△
▼young generation war・30分1本勝負
○勝愛実&沙紀(17分43秒/オレンジ☆ブロッサム)ライディーン鋼&藤ヶ崎矢子●
▼PURE-J認定無差別級選手権試合・30分1本勝負
○中森華子(17分19秒/鎮魂歌ドライバー→エビ固め)KAZUKI●
※第3代王者が2度目の防衛に成功。
★中森華子
「ああいうKAZUKIさんは久々に見たというか、でも“これぞPURE-J”という試合を見せれたかなとは思っています。タッグで対戦することがすごく多いと思うんですけど、シングルになると全然…怖いKAZUKIさんが見れたと思います」
━━KAZUKIは「中年の星になる」と宣言していたが。
「いいんじゃないですか? 私はまだ中年ではないですけれども、すごいと思います」
━━次の挑戦者について。
「このベルトを巻きたいと思ってる人なら、私は誰とでもやりたいというのがあって。やりたい選手はいますけど、とりあえず今日KAZUKIさんを倒すことだけを考えてたので…。仲良しこよしではなくPURE-Jを盛り上げていきたいっていう気持ちは、言わなくてもおんなじだと思うので。いろんな形で一緒に盛り上げていきたいと、今日の試合を終えてから思いました」
★KAZUKI
「後楽園で“42歳のチャンピオンになります”と言って、結果は残念だったんですけども43歳、44歳になっても中年の星でいられるように頑張ってやっていきたいと思います」
━━シングル王座への挑戦はいつ以来?
「春山香代子以来だと思います、たぶん。調べといてください(苦笑)」
━━シングルのベルトが欲しいという気持ちは強い?
「そうですね。チャンスがあれば常に狙ってはいますけど…」
━━今の中森について。
「坊主になったりしていろんな経験を積んできてるので、それなりに気持ちの面でも強くなってるなと思います。強かったです。今日勝ててたら最終日のLeon戦でベルト賭けても良かったんじゃないかと思うんですけども、Leonとはライバルというか、とにかくムカつく相手なんですよ。酔っぱらった時とかとんでもなく腹立つ行動ばっかり起こすので…(苦笑)。プライベートでもリング上でもムカついてる相手なんで、だから思い切りやり合えるし。向こうもそう思ってガツガツ来るんじゃないですかね」
▼休憩時間にはボリショイ、米山、OGの日向あずみさんが渡辺えりかさんを偲ぶトークショー。当時のエピソードが語られた。