JWP最終興行から4ヶ月が経ち、いよいよ正式に旗揚げ戦を迎えたPURE-J女子プロレス。まずは『HOST-TV.COM』で共演した縁から大勢のホストたちがのぼりを掲げる中、PURE-Jの所属7選手がリングイン。選手を代表してコマンドボリショイが「私たちがPURE-Jです!!…こうして今、このリングに立てること…応援してくださるすべての皆さんの思いに…感謝の気持ちで、胸がいっぱいです。本当にありがとうございます!! これから10年、20年、30年…PURE-Jを背負っていく覚悟、喜び、それを表す大会にしたいと思います! 皆さん最後まで熱い応援をよろしくお願いします!」とあいさつ。団体旗の掲揚(けいよう)に続き藤ヶ崎矢子による選手宣誓を務め、「宣誓! 私たち選手一同は、プロレスを愛しています!! 青春のすべてをプロレスに捧げ、プロレスの素晴らしさを皆さんに伝えます! PURE-Jが皆さんに愛されるよう、プロレスの神様に愛されるよう、全力で闘うことをここに誓います! PURE-J選手代表・藤ヶ崎矢子!」と、元気よく大会の幕が開ける。
7・26GPS新木場大会で小波からまさかのギブアップ負けを喫し、自身に懸けた10万円の賞金を奪われてしまったコマンドボリショイは、新たに10万円を用意してのリベンジマッチ。前回敗れたコナロックWに苦戦を強いられながらも、ピコニー・スマッシュから腰を落として極めるストレッチプラム・改でギブアップを奪ってみせた。無事に20万円を手にしたボリショイだが、セコンドに付いていたザ・グレート・カブキが第4試合のラダーマッチの賞金にすることを提案。「カブキさん、ちょっといたずら心がヒドすぎます。自分で言っといてなんですけど、私の私物なんで」と苦笑いするボリショイだが、会場の反応を見て「PURE-Jがもっともっとおもしろくなるなら、20万円、懸けます!」と決意。続いて小波に対し「お金に対する執着心は素晴らしかった。これからもっともっと2人にしかできない試合ができると思う。これからもPURE-Jともどもよろしく!」と声をかけると、小波は「私はお金じゃなくてもPURE-Jにあるベルトとか狙っていきたいなと思ってます。今度、トーナメントでしたっけ? あるんですよね?」とアピールし、PURE-J無差別級の初代王座を争う予選リーグへのエントリーが決定した。
第2試合は旗揚げまでの準備期間として開催されてきた『ドリーム女子プロレス』にレギュラー参戦してきた所属外選手によるタッグマッチ。7・30名古屋大会で藤ヶ崎矢子を破った安納サオリはPOPのベルトを腰に巻いて入場。希月あおいの丸め込みを切り返した万喜なつみが、キャリアで大きく勝る希月から3カウントを奪ってみせた。
第3試合はLeonが11月に引退が決まっている吉田万里子と13年ぶり、そして最後のシングルマッチ。多彩な関節技でらしさを見せる吉田に対し、カウンターのスピアーを叩き込んだLeonはキャプチュードバスターで3カウントを奪取。試合後は互いの手を上げて健闘を称えると、向かい合わせでリングに頭を着ける。KAZUKIはMIKAMIを相手に念願のラダーマッチに挑戦。ラダーの上に賞金20万円が吊るされる中、経験の差を見せつけ優位に試合を進めるMIKAMI。しかしラダーの上でエルボーの応酬から、KAZUKIがMIKAMIの頭を抱えて強引に唇を奪う暴挙に。MIKAMIがたまらずラダーから転落すると、KAZUKIが賞金を手にして勝者となった。
“ビジュアルハンター”藤ヶ崎矢子の獲物は井上貴子。試合開始前から「47歳貴子さんお願いします!」と挑発する矢子は、試合中に「貴子さん! 昔、自分がプロレスファンだった時にダッコして“将来プロレスラーになるんだよ”と言ってくださったの覚えてないんですか!? 私、立派なアイドルレスラーになりました!」と叫ぶなど揺さぶりをかけていくが、最後は美拳からのディスティニー・ハンマーで貴子が完勝。マイクを持った貴子は、「PURE-J旗揚げおめでとうございます。さっき矢子が何を言いたかったかわかりました? 赤ちゃんの時にお母さんがダッコして試合を観戦に来てグッズ販売のとこに来てですね、握手をして“大っきくなったらプロレスラーになるんだよ”って無責任なことを私が言ったっていう…(笑)。それで“私はホントプロレスラーになりましたよ”という、そういうことです。お母さん今日来てるのかな?(客席にいた矢子の母に対し)試合を見に来てくださり、ありがとうございました」と感謝を述べる。後半戦、第6試合では、顔に黄×紫のペイントを施して変身を図ったライディーン鋼が松本浩代と激突。いつも以上のハイテンションで松本に食い下がる鋼はヨコスカ・カッターからフロッグ・スプラッシュ。ラリアットでなぎ倒すなど奮戦するが、松本が走り込んでの剛腕から必殺のロックドロップで差を見せつけた。
7・14浅草大会で遺恨が勃発した勝愛実と堀田祐美子が再び一騎打ち。試合前に場外カウントなしがアナウンスされ、パイプイスを持ってリングインした勝が堀田の眼前で中指を立てて挑発すると堀田もエキサイト。開始早々の場外戦から勝を流血に追い込んでいく。顔を赤く染めながらも攻撃の手を休めず果敢に向かっていく勝だが、堀田がパワーボムの体勢から真っ逆さまに叩きつけて3カウントを奪取。マイクを持った堀田は、「おい勝愛実! 今日はオマエらPURE-Jの旗揚げかもしれないけど…私は私のやり方だから。そしてオマエに一言、プロレスってもんはな! ただ強いだけじゃダメだ。オマエの気持ち、その腐った気持ち…オマエがいくら強くても、プロレス界の頂点には行けねぇんだよ。悔しいだろ? だけどな、それがこの結果だ。もっとボコボコにしたかったけど…。わかるか? 心でやれよプロレスを! そしてプロレスをナメんじゃねぇぞ。負けず嫌い、最高だと思う。PURE-J…PUREって意味わかるか? その気持ちをわからない限り、オマエは1番にはなれない。もっと勉強しなくちゃいけないんだよ。そしてオマエに試練を与えてやるよ」と9・2新宿FACEで行なわれる自身の大会での神取忍&勝愛実vs井上京子&安納サオリ戦を通告。
勝は「私は今日…正直、堀田祐美子にブチ殺されるかと思った。私にはレスラーとして、1人の人間としてまだまだ足りないことがあって…未熟だよ。認めたくないけど! 今日はプロレスの奥深さ、すっっごく感じました。負けてこういうこと言うのもすごく恥ずかしいし悔しいけど、口に出していかなきゃダメだと思うから。私はPURE-Jのトップにもなりたいし、顔にもなりたい。中心になりたいです! だから! PURE-Jを背負って、レジェンドに立ち向かっていくよ」と返答。握手を求める堀田の手を握り返した勝だが、その手を振り払ってみせた。
メインイベントは中森華子と里村明衣子のシングル初対決。キックを主体に攻撃を繰り出す中森に、里村も同じように対抗。鎮魂歌ドライバーからダイビング・ギロチンを狙う中森だが、里村がかわしたため自爆に。エルボースマッシュからハイキック、デスバレーボムにつないだ里村が勝利を飾った。
里村は「旗揚げのメインですごいプレッシャーだったと思いますが、いい選手です。頑張ってほしいし、絶対にもっともっと上がれるよ! あと1000倍努力すればね。ボリショイさん! PURE-Jを旗揚げして頂いてありがとうございます!! センダイガールズ1番ダメな時に助けて頂いたのがボリショイさんだったので、今回旗揚げして頂いて嬉しかったです。そしてメインに抜擢して頂いて嬉しかったです。ありがとうございます。若い選手がもっと上に行って倒すことをしてくれれば、ボリショイさんも団体としてもっと大きくできるんだよ。いつか、そのために…できると思うよ。今は無理だけどね。今日はどうもありがとございました」とボリショイと握手を交わす。中森は「わかってんだよ! 里村明衣子! オマエ言われなくても、私はやってやるんだよ!! 今日からまた這い上がって、必ず倒してやるからな! そのためにも私はチャンピオンになる! そしたらオマエを指名してやるよ!」。里村は「来い!来い!」と応じてリングを降りる。最後は中森が「皆さん今日はありがとうございました! 悔しいことも悲しいことも、そして嬉しいこと楽しいこと! 私はこのリングでみんなと一緒に作っていきたい。そして感じていきたいです! 今日からPURE-J女子プロレス始まります! これから応援よろしくお願いします!」と締めた。
PURE‐J女子プロレス旗揚げ記念興行
『~DREAM GO!~』
◆8月11日(金・祝)東京・後楽園ホール(12:00)
観衆1041人
▼Dream of 7colors The BOLSHOI・20分1本勝負
コマンド ボリショイ(7分21秒/ストレッチプラム・改)小波
※それぞれが10万円を懸けて闘い、勝者のものとなる。
▼スペシャルタッグマッチ Road to PURE-J open class・15分1本勝負
○万喜なつみ&アレックス・リー(7分37秒/変形エビ固め)●希月あおい&安納サオリ
▼Dream of 7colors The LEON・20分1本勝負
Leon(8分42秒/キャプチュードバスター→片エビ固め)吉田万里子
▼Dream of 7colors The KAZUKI~ラダーマッチ~・20分1本勝負
KAZUKI(7分31秒/ディープキス→賞金奪取)MIKAMI
※リングに設置されたラダーの上にぶら下がっている物を取った方が勝者となる。
▼Dream of 7colors The YAKO~ビジュアルハンター矢子の仁義なき戦い~・20分1本勝負
井上貴子(5分48秒/ディスティニー・ハンマー→体固め)藤ヶ崎矢子
▼Dream of 7colors The HAGANE・20分1本勝負
松本浩代(9分53秒/ロックドロップ→片エビ固め)ライディーン鋼
▼Dream of 7colors The MANAMI・20分1本勝負
堀田祐美子(10分34秒/ピラミッド・ドライバー→エビ固め)勝愛実
※場外カウントアウトなし。
▼Dream of 7colors The HANAKO・30分1本勝負
里村明衣子(10分48秒/デスバレーボム→片エビ固め)中森華子