2週連続の月曜大会となるマーベラス。入場式では彩羽匠と門倉凛の締めのかけ声から生まれた「I LOVE マーベラス」Tシャツを着た選手たちがリングイン。田中ミキと帰国前のマーベラスラストマッチとなるナイラ・ローズがあいさつを務めた。第1試合では田中がTVを見て思いついたという錦織(にしこり)チョップを繰り出すも、雫有希がフィッシャーマンバスターで完勝。あきば栞に胸を貸した渡辺智子は、ぶっこ抜きジャーマンからラリアットにつないで3カウントを奪う。KAORUは「帰ってきたビジュアルハンター」とアナウンスされた藤ヶ崎矢子とシングル対決。互いの顔面を狙う攻撃などで会場の笑いを誘った。入場から大きな声援が送られたナイラはバックドロップからのスワーントーンボムでビッグバン・ニコルを撃破。試合後は2人で手を上げた。
メインイベントには橋本千紘を破りセンダイガールズのシングル王座をも獲得した3冠王・松本浩代がマーベラスに初参戦。スターダム時代以来の再会となる彩羽は成長した姿を見せつけるかように向かっていく。20分を超える熱戦はJKボムを狙う桃野美桜をカナディアン・バックブリーカーに捕らえた彩羽が、ランニングスリーで叩きつけて決着。マイクを持った彩羽は松本に対し、「3年前、まだ自分がスターダムにいた頃…確か彩羽匠10番勝負の1戦目で、その時に完敗しました。今はマーベラスでたくさんのことを学んでます。松本選手もいろんな団体の王者になり、いつか当たりたいってずっと思ってました。大きな壁ができたから、自分は超えたいと思います。また試合してください!」とアピール。松本は「匠が今“ありがとうございました”って言いました。それは今、オマエが勝ったから言えること! オマエに“ありがとう”なんて言われる筋合いは一切ない! 私は今、女子プロ界の中心を突き進んでる自信はある。オマエがこのマーベラスを背負って、その中心に行きたいんだったら私はいつでも待ってる!! いつでもかかってくればいい。そしてオマエをブッつぶす! それだけだ!」と受けて立つ構えを見せた。
松本が退場すると、彩羽は長与千種に対し「サシで勝負させてください」と訴える。リングに上がった長与は「いい選手だね、松本浩代! これだけは忘れないでね。敵も目標もデカイほうがいい。その志を忘れたらプロとして失格! 3年前にオマエがお世話になったんだったらば、勝って御恩返ししなきゃいけない。あとで松本選手と交渉します。(松本について)久しぶりに強くていい選手見たな。まだまだオマエ頑張んないと、あの山はデカイぞ。でも向かっていく価値はある! 頑張れよ!」と後押しを約束。長与がナイラに話を振ると、ナイラはまた日本に戻ってくることを宣言。「日本はセカンドホーム。マイ・ファミリー」と話し、会場から拍手が沸き起こった。
『Monday Fight Night』
◆6月12日(月)東京・新宿村LIVE(19:00)
観衆未発表
▼20分1本勝負
雫有希(9分33秒/フィッシャーマン・バスター→片エビ固め)田中ミキ
▼20分1本勝負
渡辺智子(8分28秒/ラリアット→片エビ固め)あきば栞
▼20分1本勝負
KAORU(9分43秒/ヴァルキリー・スプラッシュ→片エビ固め)藤ヶ崎矢子
▼20分1本勝負
ナイラ・ローズ(14分23秒/スワントーンボム→片エビ固め)ビッグバン・ニコル
▼30分1本勝負
○彩羽匠&門倉凛(20分12秒/ランニングスリー→エビ固め)●桃野美桜&松本浩代
★彩羽匠&門倉凛のコメント
彩羽「ホントに長与さんは自分たちにたくさんのライバルを当ててきて…自分たちの敵を増やしてくれてるんだと思います。でも自分たちがその相手にしっかり勝って…マーベラスを背負ってるからこそ、どんな相手にも立ち向かわなくてはいけないし、どんな相手だろうと勝ちます。だから松本浩代選手とシングルがしたいとお願いしました。松本選手が自分のことをどう認めてくれてるのかわかりませんが…今日、少しは爪跡残したと思ってるのでシングルするのを楽しみに待ってます」
門倉「今日も自分がフォールを取ったわけじゃないですけれども、タッグチームとしてはすごい今、乗ってきてるとは思うので。大きな壁にブチ当たるような選手とばかり当たってきてますけど、でも自分たちはそんな壁にも負けずにどんどんぶつかっていきたいと思いますし、タッグチームとしてもナンバーワンを目指していけるように頑張りたいと思います」
彩羽「高い壁は超えていくってよりも、壊していきたいです。今の女子プロレスの状況、現状…それも壊していきたい。そして自分たちの女子プロレスっていう時代も作っていきたいと思います。今はこのタッグに力を入れてやっていきたいと思います」
★松本浩代のコメント
「マーベラス初参戦、彩羽匠とは3年ぶりらしいですけど…彼女にとって背負うものもできたっていうことで、また違った人を見たようでした。いま3冠っていうところで、みんながそのチャンスを狙ってきてるっていう中の1人だと思うんですけど、匠がそこに何か覚悟を感じるんであれば、私は逃げるつもりもないし中心を渡すつもりもないし。今日は匠のまだまだなところしか見えなかったんで、これからどうなるか…。団体と匠の本気をもう少し見たいなと思います」
━━まだまだと感じたのはどの部分?
「う~ん…感じたまでです。匠と向かい合った時に、向こうが上回ってるなって思うところは感じなかったです。気持ちですね。気持ちで、向こうが下から来てたんで。その部分で“まだまだだな”ってふうに感じました」
━━初参戦のマーベラスに対する印象は?
「私にとってはやっぱり長与千種、そして彩羽匠っていう二本柱しか今はないので。もしこれから関わり合うとしても、そこ以外は別に今は興味ないです」
━━退場した後に、長与さんが高く評価していたが。
「今こうして、ようやく評価されてきたってことは自分にとっても自信になるので。3冠持ってるっていう責任と、これから女子プロ界の未来を担っていくつもりなので。評価して頂けて、さらに自信がつきました」