ヴィーナス・トウキョウとの共催によるコマンドボリショイプロデュースの若手主体興行。前日までのファン投票により試合順が決まるという試みで、入場式では第1試合から対戦カード順に選手たちが登場。メインイベントを勝ち取ったのはマリ卍 vs 本間多恵だった。第1試合の星月芽依 vs 藤ヶ崎矢子、Maria vs テキーラ沙弥はそれぞれ初対決。第3試合は他団体初参戦となるアクトレスガールズ・谷ももが奮戦するも、神童ミコトが全体重をかけての押さえ込みで3カウントを奪取。ボリショイは幼少期からなじみのある木村花と最初で最後のシングル対決に、足を固めてギブアップ勝ち。マリ卍と本間多恵はJWP時代から長い伝統を持つオンリーギブアップルールでのシングル対決。キャリアで上回る本間が背中合わせの体勢から両腕を極めてギブアップを奪ってみせた。
マイクを持った本間はマリ卍に対し、「私はサブミッションをすごく愛してます。愛して愛して愛して…このスタイルでてっぺんに登っていこうと思ってます。でも、どうしても私はあなたに勝てないところがあるのは自分でわかってます。それは体形です。やはり大きい人たちと闘う時に持ち上げられたりとか、体ごとエスケープされてしまうのが課題なので。今日の試合は自分に反省点につなげられるので良かったと思ってます。でも、ギブアップじゃ絶対に私は取れないんで、そこんとこよろしくお願いします」。続いて会場のファンに向けて、「私も今年で4年目なんですけども、1年間ケガで欠場してるのでまだまだ3年目です。そういう若手がこういうリングに立てるという経験をさせて頂けること、そして今日メインイベントに選ばれたのは投票してくださった皆さんのおかげだし、会場に足を運んでくださった皆さんのお力です。本当にありがとうございます」と感謝を述べる。
続いてボリショイは「若い選手のただたどしい試合ぶりも、私にはこみ上げるものがとてもありました。私も20ウン年前はですね、みんなとおんなじように一歩先はわからないような状態で試合してたんですけども“ほぼ初対戦”といっても過言ではないぐらい真剣に木村花選手と向き合えて、すごく私にとっても有意義な試合になりました。本間選手、一生懸命PRして自分の試合をメインに持ってきたっていう、その勢いは本当に素晴らしいと思います。“自分たちを見てもらおう、知ってもらおう”という努力がこれからにつながっていくと思うし、メインイベントで本当にお金には代えられないすごい経験をさせてもらったんじゃないなかと思ってます。皆さん、第2回があったらどうですかね? やりたいですね! 女子プロレスをこれから背負っていく選手たちの新人時代というのは本当に一瞬です。この一瞬の輝きを皆さんぜひ目に焼きつけて、語り継がれるような大会を開催していきたいと思っています」と話し、最後は出場選手による記念撮影が行なわれた。
コマンドボリショイ・プロデュース興行
『PURE PRINCESS』
◆3月15日(金)東京芸術センターホワイトスタジオ(18:30)
観衆82人
▼The Basic・20分1本勝負
●星月芽依(9分2秒/キューティー・スペシャル)藤ヶ崎矢子○
▼The Basic・20分1本勝負
●Maria(10分10秒/グラン・マエストロ・デ・テキーラ)テキーラ沙弥○
▼Novice Princess・20分1本勝負
○神童ミコト&鈴季すず(9分41秒/エビ固めを切り返す→エビ固め)進垣リナ&谷もも●
▼コマンドボリショイ引退ロード Extra Edition・20分1本勝負
○コマンドボリショイ(14分17秒/ピコロック→ギブアップ)木村花●
▼New Generation~オンリーギブアップマッチ~・20分1本勝負
●マリ卍(14分11秒/多恵ロックⅢ→ギブアップ)本間多恵○
★コマンドボリショイのコメント
━━木村花とのシングル初対決について。
「木村響子(※この日、ボリショイの1日付き人)がママチャリに乗せて六木道場に来てた子がだんだん大きくなっていって、途中で身長抜かれてあんなキレイになって…嬉しいですね。2世代に渡って木村親子と闘えるのホント嬉しいです。やっぱり似てますよ。メチャ気が強いし、やっぱりファイターですね(笑)」
━━ピュア・プリンセス初の大会だったが。
「それぞれの選手の課題はあって当然なんです。その課題に自分たちが気づくこと、先輩たちに頼らずに自分たちでこの大会をしっかり締めようっていうのが感じられたし、とっても有意義な大会だなって。第2回も絶対やりたいなと思ってます」
★マリ卍のコメント
「前に名古屋でシングルした時も腕攻めで負けてしまって、“腕を攻められても全部投げ倒すぞ”っていう対策もしてたんですけど…。河津落としからのグラウンド卍でギブアップを狙ってたんですけど、切り返された時はビックリしたし対応ができなかったので、まだまだだなと思いました」
━━ファン投票でメインイベントに選ばれたことについて。
「素直にメインイベントは嬉しかったです。板橋大会で永島千佳世選手に“PURE-Jは終わりだ”って言われて、危機感からなんとなく目をそむけてるような部分が自分にもあったんじゃないかなと思って。だから今回の大会も、ボリショイさんが若手中心の興行っていうのは、きっと自分に“頑張れ”っていうエールだと思っているので。メインイベントになれたのがまず1つの結果だったと思うし、そこで勝利という結果を出せなかったのもしっかりと受け止めて、ボリショイさんがいなくなったら終わりなんて2度と言わせないという強い気持ちを持って、1日もムダにしないようにやっていこうと思います」